五月祭教育フォーラム2018
「ブラック化する学校! ~多忙の影に潜むものとは~」
五月祭教育フォーラム2018 twitterより画像拝借いたしました。
参加してきました!
頭がホットなうちに、まとめます。
妹尾昌俊さん(せのおまさとし)
「本気で進める学校の働き方改革
なぜ必要か、なぜ改善してこなかったのか、なにを私達はするべきか」
改善したいと誰しも思っているが、それは「どこまで本気か」
学校の先生は他の業界と比べても深刻な忙しさ
なぜ、どうして、ここまで忙しいのか?
→1人に求められることが多すぎる
スクラップ・アンド・ビルドが苦手な学校。
ビルド・アンド・ビルド。。。
子どもたちのために!良かれと思って!
が、本当に良いことなのか、「検証がされていない」のが問題
生存バイアスに気をつけろ
→生き残っている人だけに注目しない
→生徒に主体的・対話的な学びを、と謳うが、職員室で先生たちは主体的・対話的か?
忙しい学校をどうしていけば良い?
→ブラックループからの脱却
【ブラックループ】
労基署がくるぞ~早く帰れ~
↓
仕事が減らないのに管理が厳しく
↓
離職者の増加
仕事の生産性が低くなる
↓
長期労働改善せず
子どもたちの思考力は伸ばせない
【ホワイト?ループ】
何のための働き方改革?腹落ちする
↓
学校のビジョンと課題の理解
生徒にとって重要なものの質を上げる
↓
個人で頑張るのではなく
組織として団体戦
↓
長期労働改善
「何の志なきところに、ぐずぐずしえ日を送るは、実に大馬鹿者なり」
内田良さん
部活動の日常を「見える化」する
Sustainable(持続性)がテーマ
組体操の問題
問題定期→twitterなどで拡散→共感の声→国が動いた
実施校は20%減、負傷者は80%減
全国大会にいった生徒が大学に行くと辞めてしまう
→課題:継続性がない。一時的な盛り上がり
問題に蓋をすると、後々犠牲者が出る
見えてきた問題を放置してはいけない
いじめの問題
自殺が起こる→いじめ?家庭の問題?→取材→「どうせ学校はいじめを隠蔽する」という潜在意識がある
過去のマスコミ「学校が悪い。教師が悪い」
現在のマスコミ「生徒が苦しんでいる。学校の先生が忙しすぎる」
→世論は動いている
が、職員室は無風状態
本丸である職員室が変わらないと、何も変わらない。
どう動かすか、が課題。
部活の問題
好きでやってる先生も。子どもたちのため、という「真剣さ」
教師バッシングではなく、世間が、教師サポートに動かなければ変わらない。
給料月額(4%上乗せ)
教職調整額1966年
に2時間残業する前提で→今は約20時間
1971年
給特法→時間管理をしない、「定額働かせ放題」
残業を抑止する必要がない
学校の廊下を走る
廊下は走るな!→部活動では走らせる、の矛盾
部活動・補習:制度設計なき教育活動(グレーゾーン)
先生は大学では部活動のことを学ばない
部活動の日程が公式に平日に設定される
全員顧問生の拡大
教員勤務実態調査→部活指導時間が増えている
部活は「楽しいからハマる」→後戻りできなくなる
部活動の理想の日数、現実の日数のズレ
授業は、時間割、単位数が決まっている。
けど、部活は制度設計がないから止まらない。自主的だから加熱する
ヒト・モノ・カネに合わせる→全国レベルは民間に委託など
制約とサービスのバランス
パネル・ディスカッション
《部活動の意義》
内田さん
sustainableに続けたほうが良いけど、資源が。
週6日やる設定で外部指導者探すのはどうしたものか。
サービスを縮小してから考えてから実行すればいいのに
陰山さん
部活を教えたいから教師、という人もいる
保護者からも、家庭への影響が大きいと思っている声もある。が、声の吸出しがしにくい
学力向上策→中学になるとやりづらい
部活、教科感の壁、時間の取り合い、教育の地域感覚差が大きいから、落とし込めている地域もあればそうでない地域も
文科省・中教審も問題意識を持っているにもかかわらず、変えられないのはなぜ?
妹尾さん
非認知スキルに関して、部活動の役割は大きいのは事実
それは部活動以外でも補完できないのか?
効果があるかないかではなく、どこまでやるか
部活動は自主的なものだからマストではないけど、
内田さん
週6日やらなくても、達成できないか?
限られた時間の中で意義を達成する
勝利至上主義、日本の考え方は間違えている。スポーツ科学の観点から
鈴木寛さん
2010スポーツ立国戦略
2011スポーツ基本法
地域総合型スポーツクラブ
一つの学校で、きちんと指導できる先生の元、全てを部活を学校の施設内、というのは現実的ではない。生徒のスポーツ権の観点からも矛盾
→中体連は反対w
軍事教練文化からの脱却が必要→
→1つの部活にだけ、みたいなもの
→種目によってばらつきもあるが
教員コミュニティーの中の熟議に決定が依存する
→腹を割って話せているか
妹尾さん
部活熱血教師へ
1,効果ばかりではなく優先順位も
2,生徒のスポーツ権への限界
部活でやったことがあるレベルで「経験者」として、「指導者」になることが認められていいの?
3,生徒との絆、一体感
どれくらい時間をかけているか?字数カウントすると授業より長いのであれば、それ相応の効果。
鈴木寛さん
サッカー協会でも、指導者にライセンスがある
日本代表でもS級はとれない
やるのと教えるのは全く違う
鈴木寛さん
コミュニティースクール
→学校運営協議会、地域の住民や専門科が地域に入って学校と一緒になって方針を考える
陰山さん
校長に決定権があるから実装されない事が多い
部活動は時間が余っている生徒のため、心遣いから始まった
コミュニティースクールによって教育制度を透明性の高いもの
妹尾さん
個々の学校の裁量は大きい
校長によっても様々。やる気も実力も
コミュニティースクールが意見を言える場に
鈴木寛さん
制度改革主義に疑問
ちゃんとやっているところの負担が増える
校長が「退化なく定年」ではなく、進化を
《学校の役割》
妹尾さん
教育は福祉化している
教育の部分に特化した方が良い
陰山さん
教科書→B5がA4に、量も増えている
不登校もH24,25から増えてきている
スマホにのめり込む
就学生の発生件数がH27,28から急増→なぜ?
学校の本分である「勉強」に力を入れないと、制度が破綻するのでは?
鈴木寛さん
新学習指導要領
福祉施設化、暴力事件→親ではなく教員が引き取りに行く。世界的にはおかしい
教員とは?という定義がズレている
教員は、教員以外の仕事をやりすぎ。それをみんな知るべき。人が足りない
子どもに関する政策を指示してくれるのは15%
教育は国政では票にならない
教育、安全保障問題がマストだった
→県以下の政策だと、3つの内の1つに入ってくる
学校の先生に何をしてもらうのか
学校に助っ人を。地域によって違ってくる
ボランティアとプロ、誰が入る?
陰山さん
教職員の給与は下がらない
代わりに、教員免許の更新性が。
《教員がした方が良いこと》
妹尾さん
校内研修
アンパンマンではなく、ドキンちゃんの「私はこうしたい!」も大事
鈴木さん
社会の仕組み、ツボを勉強するべき
自分の人権が損なわれた時に、自分で取り戻す方法を学ぶ。
どこで知恵をかりればいいか。表からか、裏からか
どこのボタンをどの順番で押せば直るのか、社会のことを知る
自分の権利を多くの人たちの支持を得ながら実行する
個人が刃向かえない時は「連帯」をする
我が事として使うために、勉強する
生徒の本当のハッピーのため
手札を揃える→したたかさ
陰山さん
ネットワーク
若い人たちが言った、をtwitterから拾う
内田さん
追随者がいないように見えるがそうではない、から
根回しをして上手く立ち回る
本丸の職員室を変えるのは難しい
市民側からアプローチする
個人的にとても気になっていること
コミュニティースクールによって外部ボランティアや、民間企業、市民などが学校に入ることによって、校長に意見が言える=透明性が高まると同時に、決定権が一極に集中しない、はず。
地域との繋がりが強い地域
周りを巻き込むのが上手い校長
積極的に協力してくれる外部
がいる地域は◎
しかし、格差は必ず生まれる。
学校を外側から良くするアプローチの他に
1,生徒が学校を選べるようにならないのか
2,杉並区和田中学校元校長、藤原和博さんのように、民間校長が登用されることで内側から変える動きは今後増えないか
この2点が特に気になる。
公立中学であっても、学区にとらわれず生徒が学校を選べるようになれば、マネジメントに工夫が生まれるのではないか